中国人旅行者が台湾でサンゴの違法採取、自国政府の「ブラックリスト」入り

 中国政府・国家旅遊局(国家観光局)は3日、最近になり通報によって事実確認をした結果、処分を決めた旅行絡みの問題行為の「典型的な5つの事例」を発表した。旅行者については1件で、国家旅遊局は台湾でサンゴを違法に採取した旅行者を「ブラックリスト」に追加すると宣言した。

 

 国家旅遊局によると、メーデー連休が始まった4月30日から5月2日の間に、「問題あり」との通報について253件を処理した。多くが旅行者からの通報で、観光スポットについては155件、旅行会社については43件、ネット関連が21件、宿泊施設が20件、添乗員については4件、交通機関については2件、その他が8件だったという。

 

 また一方では、現地警察が混乱収拾や事故処理などで、「よくやっている」との称賛の声も寄せられているという。

 

 国家旅遊局は、該当期間中に発生した問題で、「典型的な5つの事例」を発表した。業者側が起こした問題は4件で、違法な集客、旅行会社の日程変更、虚偽広告、資格のない旅行会社の海外旅行業務があった。

 

 旅行者が起こした問題は1件で、中国人旅行者が台湾で違法にサンゴ500グラムを採取して、現地当局に4000台湾ドルの罰金を科されたケースだった。

 

 国家旅遊局は台湾で同処罰を受けた旅行者の実名を発表し、「旅行客非文明記録」に書き込むと宣言した。「旅行客非文明記録」は「旅行者の黒名単(ブラックリスト)」と呼ばれ、旅行などに関連するさまざまな手続きで不利な扱いを受ける場合がある。出国が認められなくなる場合もあるという。

 

 国家旅遊局はサンゴの違法採取で処罰された旅行者について、「旅行客非文明記録」に情報を残す期間を2年間と発表した。

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◆解説◆
 「旅行客非文明記録」は2015年4月に始まった制度。世界各地で中国人旅行客が問題を起こし、国や民族のイメージを損ねているとして設けられた。本人に対する懲罰の色合い以外に、実名と問題行為を発表するなどで、中国人旅行者全体に対する「警告」の意味が強い。

 

 対象となるのは、「交通機関利用に際して秩序を乱した」、「環境や衛生を損ねたり公共施設を破壊」、「旅先の社会の風習や民族的な習慣に違反」、「旅先で文化財を破壊した」、「博打や性産業の客になった」などとしている。

 ブラックリストである「旅行客非文明記録」に書き込む期間は1-3年間。国家旅遊局、法律専門家やメディア関係者による「審議委員会」を設けて、個別の案件についての扱いを決めているという。

 

 日本を旅行した中国人客が「旅行客非文明記録」に書き込まれた例としては、北海道札幌市内のコンビニエンスストアで中国人の男が店員を殴った事件が対象になった。

 

 同事件が発生したのは2015年9月。新婚旅行中の夫婦のうちの妻が、店内で未会計の食品を食べたので店員が咎めたところ、「妻が侮辱された」と腹を立てた夫が店員に暴力をふるった。夫婦2人が逮捕されたが、「旅行客非文明記録」には実際に暴力行為のあった夫1人が書き込まれた。期間は規則上最長の3年間だった。(編集担当:如月隼人)

 

参考:・国家旅游局公布“五一”假日旅游投诉和典型案件查处情况(中国語)


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Posted by 如月隼人