もう、桜の季節ですねえ

もう、桜の季節ですねえ。


ということで春です。被災して苦しむ人、原発事故のこれ以上の事態悪化は何としても食い止めたいと身を挺して尽くしている人も多いので、「何をのん気なことを」と思われるかもしれませんが、こんな時だからこそ、もし許されるなら、季節の移り変わりや花の美しさに感動する心を、できるかぎり保ちたいと思っています。


さて、その桜ですが、とても不思議な植物と思いませんか。もちろん、桜といってもさまざまな種類があるのですが、ここでは、現在の日本で“代表格”とされるソメイヨシノのことを考えます。


一斉にパァーっとさいて、一斉に散っていく。「そこがよいのだ」とよく言いますが、それだけではないような気がする。まず、ソメイヨシノって、若葉も出ないうちに、花だけがさく。あれって、異様だよなあ。


葉がないのだから、一斉に咲いた花が、いやがおうでも目立つ。「夜桜」とや「花曇り」ということもありますが、満開の花が一番引き立つのは、晴れた日に枝を見上げた時だと思います。


薄いピンク色の桜の背景に青空。この色の取り合わせってすごいなあ。暗さがみじんもない。しかも、青・赤・黄の三原色でいえば、青と赤の要素だけ。黄色がすっぽり抜けている。


「黄色は警戒色」なんて言いますよね。なんか、こちらを身構えさせるところがある。青空の下の桜って、その「黄色」の要素がほとんどないのですね。葉があれば、葉の緑は「黄」+「青」の組み合わせだから、やっぱり黄色の要素が入ってくることになる。


桜が咲き誇る光景って、人に警戒感を持たせない色だけで構成されているのではいる。だから、スッと気持ちを入れることができる。このあたりも、桜の魅力かなあなんて考えています。


考えてみれば、冬越しをした直後で栄養状態も乏しいであろう時に、いきなり全力全開で花を咲かせる。桜本人にとって、花を咲かせるということは、受粉によって子孫を残すことが目的のはずです。虫に花粉を運んでもらう。あんな短期間に、全部花を咲かせたのでは、効率がよいわけない。


戦略的に考えれば、もっと長期にわたって少しずつ咲かせていった方が、虫としても、その時その時に咲いている花を順番に相手にしていけるのだから、受粉の確率は格段に高まると思う。


いったい、桜は何を考えているか。


もしかしたら、相当に過激な性格の持ち主かもしれない。