中国・長征7号、6月に海南で打ち上げ 宇宙開発が冷戦の弊害から脱却、自国陸地への残骸落下は解消

 新華社などによると、中国が新たに開発した長征7号ロケットが6月下旬に海南島で打ち上げられる。中国の衛星ロケット打ち上げ場は四川省や内モンゴル自治区など内陸部にあったため、打ち上げ後に自国陸地に残骸が落下するという問題があったが、海南島からの打ち上げでは解消されることになる。

 

 長征7号ロケットは天津市で作られていたが、8日に天津港から海路で運搬され、5月中旬には海南に到着し、検査を経て6月下旬に打ち上げられる予定。同ロケットには中国が建設を進めている宇宙ステーションの関連品が搭載されるという。

 

 長征7号ロケットは、中国が2011年1月に開発を始めた新型の衛星打ち上げロケット。1段目にも2段目にもケロシン・液体酸素エンジンを用いている。地球低軌道に13.5トンの重量を打ち上げることが可能とされる。

 

 中国の衛星打ち上げは、これまで主に酒泉衛星発射センター(内モンゴル自治区)、西昌衛星発射センター(四川省)、太原衛星発射センター(山西省)で行われてきた。いずれも内陸部だ。

 

 内陸部に衛星発射センターを作ったのは、敵からの軍事攻撃と秘密漏洩を避けるためだった。つまり「冷戦」の産物と言える。そして衛星を打ち上げる際には、地球の自転速度を利用するために、東向きに打ち上げることが一般的だ(解説参照)。

 

 そのため、中国では衛星が西部である内陸部で打ち上げるため、燃え尽きて切り離されたロケットの残骸が自国陸地に落下することが避けられなかった。落下する地点は予測でき、当局は住民を建物内に避難させたり、被害が出た場合には補償をするなどの対策を講じてきたが、衛星打ち上げのたびに、被害を覚悟せねばならないのは、やはり「物騒」だ。

 

 中国はそのため、海南省に文昌衛星発射センターを建設した。文昌衛星発射センターは中国国内ではかなり南部にある、つまり赤道に近いため、地球の自転をより効率的に利用できる。また、天津市で製造したロケットを海上輸送できるため、これまで以上に大型のロケットを運び込めるようになった。

 

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◆解説◆
 これまで西向きに衛星ロケットを打ち上げた例外としては、イスラエルがある。イスラエルの西側には地中海が開けているが、東側はアラブ諸国だ。アラブ諸国の方向にロケットを打ち上げたのでは、「ミサイル攻撃」と誤解されて戦争が勃発しかねないため、技術面の不利を承知で西側に打ち上げた。(編集担当:如月隼人)

 

参考:
长征七号遥一火箭运往海南发射场 预计6月下旬实施发射
长征七号遥一火箭运往海南 预计6月下旬发射


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Posted by 如月隼人