オバマ米大統領の広島訪問、中国では一部メディアが速報

 安倍晋三首相は10日午後9時過ぎ、オバマ米大統領が広島を訪問するとして、首相官邸で記者団に「オバマ大統領の広島訪問を歓迎する」と表明した。中国では国営・中国新聞社など一部メディアが、オバマ大統領の広島訪問を速報した。

 

 中国新聞社は共同電にもとづき、日本の外務省が10日、米オバマ大統領が27日に米国の原爆投下を受けた広島を訪問すると伝え、安倍首相も同行すると伝えた。

 

 記事は、米国側が原爆投下についてオバマ大統領が謝罪することはないと、米国はすでに明言していることや、現職大統領が広島を訪問することは初めてだが、多くの米国国民が日本への原爆投下について、第二次世界大戦の終結を早めたのであり、合法的だったと認識していると論じた。

 

 中国の大手ポータル/ポータルサイトである新浪網は、同件についてジャーナリストやメディアによる文章を「ブログ」として紹介するカテゴリーの微天下のカテゴリーで、同件を紹介した。ただし、投稿者についてははっきりしない形で掲載した。

 

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◆解説◆

 「広島や長崎の悲劇を、2度と繰り返してはならない。だから、全世界から核兵器廃絶を」と、多くの日本人が願っているおり、広島と長崎への原爆投下は、正当な行為とは認められないというのが日本における一般的意見だろう。

 

 しかし、原爆を投下した米国をいたずらに憎むのではなく、核兵器を使用するような状況を作ることや、核兵器使用そのものに対する忌避、嫌悪、恐怖などを強く感じるのではなかろうか。つまり広島と長崎への原爆投下は「やられた」という憎しみをかきたてる出来事ではなく、「人として、絶対にしてはならないこと」という、自らを律することを含め、核兵器廃絶への決意を繰り返す原点となる出来事だ。

 

 しかし中国では、「戦争はよくないことだ」という声も根強い一方で、第二次世界大戦については「善玉・悪玉」を峻別しようとする考え方が強い。言うまでもなく、「侵略された」側の自らが「善玉」であり、日本は「悪玉」だ。

 

 そのため中国では、日本における広島や長崎を教訓とする核兵器廃絶を求める声に対しても、「自業自得」といった反発が強くなりがちで、日本が広島や長崎の被害を強調しても、「戦争発動の責任逃れ」と受け止められる傾向が強い。

 

 中国の主要メディアとしても、オバマ大統領の広島訪問、扱う上でかなりデリケートなテーマであることは確実だ。

 

 中国国営の新華社系の新華網、共産党機関紙・人民日報系の人民網は日本時間10日午後10時50分時点で、オバマ大統領が広島行きを決めたとする記事を掲載していない。(編集担当:如月隼人)

参考:・日本宣布奥巴马将访问美国原子弹轰炸过的广岛 (中国語)