雑記:中国人の若い女性の謎 日本生まれなのに「そうなって」しまうワケ

昼ごはんに時々利用する中華料理店があります。利用するのは店頭で販売している弁当。これが、なかなか侮れない。その店は「化学調味料不使用」を謳い文句にしている。それも大歓迎ですが、味付けがきっちり「中国」になっている。それも、かなり高いレベルで。

 

私はコンビニなんかでもそうですが、店員さんが「あ、この人、中国人かな」と思った時に、かならず出身を聞く。「中国です」と教えてくれた場合には、中国語で「中国のどこですか」と尋ねる。

 

というのには、ワケがあります。中国人の話す日本語には、独特の癖がある。いや、別に悪口じゃありませんよ。それで当たり前です。ただ、出身地によって、日本語の癖にも違いがある。そのあたりを知りたくて、出身地を聞くわけです。

 

本日、その中華料理店で弁当を買った際に、売っていたのは若い女性。明らかに中国人と思った(念のために言っておきますけど、相手が男でも必ず聞いてみます)。

 

ところが「私は日本人です。日本生まれですよ」と言う。あれれ? と思った。「中国人かと思いましたよ」と言ったら、親は中国人だと教えてくれた。親御さんの出身地は? と尋ねたら、青島(チンダオ)と教えてくれた。

 

そこで中国語に切り替えて、「山東省ですね」と言ったら、にっこり笑って「よく知っいますね」と、今度は中国語で応対してくれた。

 

大した知識ではありませんが、中国出身者(彼女の場合、日本国籍だそうですけど)が、日本人に中国についての知識を持っていると知って、やっぱりうれしいでしょう。外国人に対して「金沢出身です」と言って「あ、石川県ですね」と言われたら、普通はちょっとうれしいと思う。それと同じことです。

 

それにしても、ちょっと不思議だった。血統が中国人だったとしても、日本生まれなら、完璧な日本語を話すはずだ。逆に、日本で暮らす中国人夫婦で、わが子が中国語を満足に話せないと悩む人は、大勢います。

 

弁当を食べながら考えていて(煮卵と白菜のあんかけ炒め、おいしかったなあ)、ふと、思い当たりました。まず間違いないと思う。

 

親御さんは、日本で生活するのに、そうとうな苦労があったのだろう。働きながら、生まれたばかりのわが子を育てるのは難しい。ということで、中国にいる自分の親(つまり、女の子にとっては祖父母)に預けたのだろう。最近になり、その娘さんを日本に呼び寄せた。だとすれば、娘さんの「日本生まれ」と、達者ではあるとはいえ「外国人アクセント」がある日本語の両者に、矛盾はない。

 

中国人夫婦は、故郷を離れて生活する際に、故郷に残る自分の親にわが子を預けるということを、普通にやっています。日本人の感覚では「幼いわが子と離れて生活して、何も感じないのか」とも思えるかもしれませんが、だからと言って、中国人に家族の情愛が薄いという結論にはならない。

 

逆に、日本人よりも家族の情愛が濃いと言うこともできる。というのは、自分にとって親とは、何の遠慮も必要のない存在であるからこそ、わが子を長期間にわたって預けることに抵抗感がないというわけです。

 

よく、日本人は「ウチとソト」を分けると言いますが、中国人はそれ以上です。ウチに対しては手放しで信用する。ソトに対しては手放し(?)で警戒するという心情が強い。だからこそ、自分の子を親に預ける。

 

もちろん、長期間にわたって幼いわが子と離れて暮らすのは、とてもつらいことです。でも、そんなことをしてでも、自分が異郷で生活基盤を作れば、わが子の将来にとっても有利になる、と考えるわけです。

 

本日は弁当を食べながら、中国人の家族観についてもいろいろと考えてしまったわけでありました。