北朝鮮がロシア船を拿捕 「誤解だった」と弁明して釈放、問題の本質は別のところに

 北朝鮮軍艦が13日夜に、領海外を航行していたロシア船籍のヨットを拿捕した件で、ロシアの駐北朝鮮大使館は15日、北朝鮮側が「全くの誤解だった」と釈明した。中国メディアの新浪網がロシアの報道を引用して報じた。北朝鮮当局はすでに、同ヨットを釈放したという。

 

 ヨットは韓国の釜山(プサン)で開催されたレースに参加して、ロシアのウラジオストクに戻る途中だった。北朝鮮沖合80海里(約148キロメートル)の、同国領海外を航行していて、北朝鮮軍艦に拿捕されたという。

 

 ヨットには船長1人、その他の船員4人の計5j人が乗っていた。同件を受け、ロシア外務省は駐北朝鮮大使館などを通して北朝鮮側に、ヨットに乗っていた5人とヨットの解放と状況説明を要求した。

 

 北朝鮮軍に拿捕されたヨットは北朝鮮東部の咸鏡北道南部にある金策(キムチェク)港に移送された。ロシア駐北朝鮮大使館の報道官は同件を「要するに、北朝鮮は全くの誤解によって発生したと釈明した」と説明した。

 

 ヨットは北朝鮮時間15日午前10時に釈放されたという。

 

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◆解説◆
 ロシア側の説明によれば、北朝鮮軍はいわゆる「誤認」により、ロシアのヨットを拿捕したことになる。これまでに報じられた状況を見ても、不自然さはさほどない経緯と言える。

 

 しかし注目すべきは、ロシアのヨットが明らかに北朝鮮領海外で拿捕されたことだ。領海とは基線(海岸線)から12海里までに認められた海域設定で、領土と同様の主権行使が認められる。基線から基本的に200海里までは排他的経済水域(EEZ)の設定が認められるが、資源利用など経済権利については、法令などに基づく管理が認められるが、外国船の自由航行が禁止されているわけではない。

 

 ロシアのヨットが、北朝鮮沖合80海里の位置を航行していたことから、北朝鮮側が同ヨットが「領海侵犯」をしていたと誤認した可能性は、ほとんどないと言えるだろう。

 

 とすれば、北朝鮮は国際法の定めを無視して、自国に危害を与えていると判断した場合には、領海外を自由航行している外国船を拿捕するという実力行使に及んだことになる。(編集担当:如月隼人)

関連:・北朝鮮軍がロシアのヨットを拿捕、領海外で 金策に移送、ロシアは解放を要求(中国語)

参考:
俄方:朝鲜称俄帆艇被扣押纯属误会/a>