台湾・民進党の本部前に「中国国旗」が大集結、「ひとつの中国認めよ」と抗議

 

 

 中国メディアの新浪網は19日、台北市内の民進党本部前で、中華統一促進党の張安楽総裁が1000人余りを率いて、民進党の蔡英文主席(党首)が翌20日の総統就任演説で、「ひとつの中国」を認める九二共識(92コンセンサス)を認めよと要求するデモを行ったと伝えた。デモ隊は中国国旗の「五星紅旗」を振りかざしたという。

 

 九二共識は、中国大陸側と台湾側が1992年に香港で協議した際に、双方が「ひとつの中国」との認識で一致したとされる合意事項。しかし当時は発表されることがなく、2000年に台湾独立派である民進党の陳水扁主席が総統選で勝利した後に、陳総統の就任前であったために、まだ在職中で国民党所属の行政院大陸委員会の蘇起主任が「大陸側とは九二共識が存在する」と発表した。

 

 九二共識については、文書も発表されておらず、1992年当時に総統だった李登輝氏も「そもそも存在しない」など、“でっちあげ”と主張する元要人も多い。

 

 中国大陸側からは、蔡英文新政権に対して、「九二共識を認めることが、大陸と台湾の良好な関係を維持する最低ライン」との発言が相次いでいる。これまでのところ、蔡氏は総統就任演説で1992年に大陸側と話し合いがあったことは認めるが、「九二共識」の語には言及しないとの見方が強い。

 

 中華統一促進党は大陸との統一を強くしている政党。ただし立法院(台湾国会)にも地方議会にも議席は持っていない、弱小政党だ。創立者であり総裁である張安楽氏が少なくともかつては「反社会組織」の一員として活躍したことは、台湾ではよく知られている。

 

 張総裁は1949年に大陸から台湾に渡って来た。台湾の淡江大学で歴史を専攻して卒業した。一方では「裏社会」におはいり、抗争で重傷を負ったり、米国では違法薬物を密売したとして15年の有罪判決を言い渡され10年間服役した切れ機もある。ただし、服役中に2つの学士号を修得していることなどから、頭の切れる人物であることは、間違いなさそうだ。

 

 1996年に利権に絡む恐喝や傷害の疑いで台湾検察の取り調べを受けると、大陸に渡った。大陸滞在中に中華統一促進党の前身である「台湾保護大中華同盟」を結成した。

その後、台湾で大陸に反発する運動が発生した際には、中華統一促進党関係者が「実力阻止」を試みるなどで問題を起こしている。2009年に帰国した際には、張氏の帰台に抗議するデモ隊と張氏を支持する関係者が衝突し、流血の字体になった。

 

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◆解説◆
 同話題は新浪網だけでなく、他の大陸メディアも伝えた。張安楽氏や中華統一促進党の活動は台湾でも注目されてはいるが、議席や地方政府の首長の座を全く獲得しておらず、政治的には「泡沫」と言わざるをえない。

 

 しかし、写真も使って派手に報道したのでは、中国人読者に「台湾では独立反対の勢力が政治的に力を持っている」とのイメージを与えかねない。「マスコミ」としてのあり方に、疑問を感じざるをえない。 

 

 考えてみれば、中国大陸側で(台湾国旗である)青天白日旗を振りかざす人々が「台湾独立を認めよ」とデモをすることが、ありえるだろうか。本件だけでも、自由な意思表明をできるだけ尊重する台湾と、そうではない中国社会の違いが、際立つことになった。右側記事写真で左側に立つ青い服を着た人物が張安楽氏。(編集担当:如月隼人)

 

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参考:・台湾统派围堵民进党总部 挥舞五星红旗(中国語)