台湾の4月貿易受注額が「専門家の予想」も大幅に下回る激減、蔡新総統の就任の日に判明

 台湾政府・経済部は20日、台湾における4月の輸出受注額が前年同期比11.1%減だったと発表した。3月は4.7%減だった。市場では4月の輸出受注額について、4.5%減との予想だった。

 

 台湾の人口は2300万人ほどで、市場規模としては決して大きくない。経済活性化の手段として内需拡大も重要だが、やはり貿易に大きく依存せざるをえない国情だ。

 

 ブルームバーグによると、台湾の4月輸出受注額について、アナリストの予想中間値は全円同月比4.5%の減少だった。台湾の輸出額は縮小しつづけており、前年同月比でマイナスになること自体は、さほどおかしくはない。

 

 ただ奇妙なのは、実績値がアナリスト予想よりも大幅に下回る減少だったことだ。アナリストの予想がはずれることも多いが、台湾の輸出受注額についてはこのところ、アナリストの予想とのずれが大きくとも3-4ポイントの状態が続いていた。

 

 つまり台湾の輸出受注額は4月、「通常の経済的観点よりも、極めて大きく落ち込んだ」ことになる。中国経済は2015年に減速が顕著になり例えば、スマートフォンなどで売れ行き不振が続いている。台湾からの輸出にブレーキがかかった可能性はもちろんある。

 

 しかし気になるのは蔡英文政権の発足に対する中国大陸側の反応だ。すでに中国大陸からの観光客はかなり減少しているが、中国の旅行会社が受け付けを敢えて滞らせているという情報もある。

 

 台湾における4月の輸出受注額の発表の日時は、かなり前から予定が公開されていた。蔡英文総統が就任する5月20日だ。蔡総統は予想通り、中国側が強く求めて来た「1つの中国についての合意」である「九二共識(92コンセンサス)」を就任演説に盛り細かかった。

 

 中国は蔡総統が所属する民進党を「独立派」とみなしている。蔡政権を牽制しようとするならば、最も手っ取り早いのは「経済運営で苦境に陥れる」ことだ。今のところ、台湾の4月輸出受注額の「予想を超えた激減」の理由は明らかでないが、大陸側が台湾に対して「経済面での締め付け」を行う可能性は否定できない。(編集担当:如月隼人)