台湾の蔡英文新政権、駐米代表を「駐米大使」として任命 中国大陸側で不審と警戒の報道

 台湾。総統府は23日、「沈呂巡駐米大使の退職を認め、高碩泰を駐米大使に任ずる」とする総統令を発表した。中国大陸側では、これまで台湾側は「駐米代表」との名称を使っていたとして、不審と警戒の声が出た。

 台湾では、一定以上の地位にある官僚は、政治的色彩を持っていて当然との通念がある。そのため、政権交代にともなう「高級官僚の交代」が珍しくない。米国に似ているシステムだ。

 

 これまで駐米代表だった沈呂巡氏は、民進党政権が発足したことで辞任を申し入れ、承認された。過去の事例と異なったのは、総統府が新旧の代表について、これまでの「駐米代表」ではなく「駐米大使」との肩書を使ったことだ。

 

 現在、台湾(中華民国)と外交関係のある国家は全世界で23カ国だ。外交関係がない以上、大使館の設置や大使の交換は行えない。しかし現実問題としては、台湾と経済、文化、その他の交流や人の往来も多い国は多い。そのため、台湾は米国や日本など主要国に「台北経済文化代表処」との名の組織を設置して、相手国との意思疎通や実務交渉を行っている。

 

 「台北経済文化代表処」のトップは「代表」との肩書だ。しかし蔡英文新政権は、米国駐在の沈前代表と後任の高代表に対する事例で「駐米大使」との呼称を用いた。

 

 中国メディアの環球網は、「駐米大使」の呼称しようについて「国交のない国への“代表”にすべて“大使”の呼称を使うのか」と、不審と警戒を示した。

 

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◆解説◆
 中華民国の在外公館はホームページのURLのドメイン部分で、これまで「taiwanembassy,org」と「roc-taiwan.org」の両方が使われてきた。「taiwanembassy」は「台湾大使館」の意、「roc-taiwan」は「中華民国・台湾」だ。「台湾大使館」は中国側にとって容認しがたく、「中華民国・台湾」ならば比較的受け入れやすい。2通りのURLを用いることで、微妙なバランスを示してきたと言える。

 

 しばらく前までは、いずれのURLを用いても同じページが開き、いわゆる「ミラーサイト」の様相を示していたが、現在は「taiwanembassy」を含むURLでページを開こうとすると、「roc-taiwan.org」を用いたページに移行する。

 

 中華民国外交部(台湾外務省)のホームページの在外公館の紹介では、すべて「taiwanembassy」を用いたURLを紹介している。

 

 日本にある「台北中日経済文化代表処」のページを閲覧する場合、「http://www.taiwanembassy.org/JP」を入力すれば、URLが「http://web.roc-taiwan.org/jp_ja/index.html」に切り替わって画面が表示される。(編集担当:如月隼人)

 

参考:・台当局将“驻美代表”改称“大使” 高硕泰即将赴美就任(中国語)