住み込み塾の経営者、火災発生で教え子など助けに3度火の中に 自らは大やけど

 河南省南陽市の3階建ての建物で18日午前1時20分ごろ、火災が発生した。同建物には住み込み式の塾が入居していた。1階に住んでいた塾経営者の王鋒さんは複数回にわたり燃えている建物内に飛び込み塾生らを救った。王さん自身は全身にやけどを負い、危険な状態が続いている。

 

 

 火災発生を知った王さんはまず、同室にいた自分の妻と子を、建物外に連れて出た。その時には、負傷していなかったという。火の回りは速かった。王さんは直ちに燃える建物に入っていった。

 

 王さんは10歳前後の塾生2人と教師1人を連れて建物外に出れてきた。建物から出た炎が夜空を焦がし、内部からは爆発音がひっきりなしに響いてきた。しかし王さんは再び、「逃げ遅れた人がいるかもしれない」と建物に突入した。

 

 王さんは3度、建物内に突入したという。最後に出て来たときは、全身が炭のようになっていた。皮膚のいたるところから出血していた。意識も混濁していた。それでも、「(中の人を)早く助けてくれ。火が出たんだ。助けてくれ!」と叫んでいた。

 

到着していた消防の手で、王さんは救急車に運びこまれた。王さんは嫌がった。「まだ中に人がいるんだ。早く助けねば」と言っていたという。実際には、その時にはすでに、建物の中にいた人はすべて脱出したと分かっていた。王さんの様子を見た近隣住民は「意識もはっきりしていないようでしたが、とにかく中にいる人を助けねばならないと思っていたようです」と述べた。

 

 王さんは38歳。近隣部の小さな街から昨年(2015年)に、家族とともに南陽市にやってきた。小学校近くの建物を借りて、住み込み式の塾を経営しはじめた。20-30人の小学生が、塾生になっていた。

 

 詳しくは伝えられていないが、中国の農村部、あるいは南陽市のような地方都市では、現金収入を求めて大都市に、いわゆる「出稼ぎ」に出る人が多い。自分の子を伴っていっても、大都市では学校に入学させることが難しく、故郷に残す場合も多い。

 

 王さんの「住み込み式の塾」はそんな子らの受け入れ場所になっていたと考えられる。そして王さんは、預かった子らに対しての責任感で、何度も燃え盛る建物に突入したと思われる。

同火災で王さん以外に負傷者は出なかった。

 

 王さんは、全身の92%に及ぶ火傷を負い、生命も危険な状態という。預かっていた子らを救おうと、燃え盛る建物に何度も飛び込んだ王さんの話が報じられると、中国全国から王さんの治療費に使ってほしいと、寄付金が寄せられはじめた。

 

 中国では社会保険が整備されておらず、王さんの治療費も基本的に自己負担になる。病院の説明によると、皮膚移植など早い時期に行う治療だけでも30万―50万の費用がかかる。初期治療が成功した後も、再びまとまった費用が必要になる。

 

 火災発生直後から、王さんに一家に対する寄付が始まった。メディアも王さんの行為を紹介し、寄付を募った。地元幹部も王さんの妻に対して自ら大金を寄付し、当局としてもできるかぎりのことをすると説明した。

 

 王さんの妻は当初、かなり動揺していたが、27日になり寄付金が220万元に達したとして「皆さまの大恩、大徳に感謝いたします。(いただいた)お金は手術費用に十分です。もう王鋒への寄付はなさらないでください。助けを必要としている人は、ほかにもいるはずです」との声明を発表した。

 

 写真は自分の子らと遊ぶかつての王鋒さん、病院に搬送された直後の王鋒さん、王鋒さんに救出された塾生。(編集担当:如月隼人)

関連:

消防士が自殺願望の女性を救う 6階の窓から「飛び蹴り」=中国・徐州
交通事故の救助現場に乗用車突っ込む 6人死亡、医師1人以外、全員が直前まで飲酒=中国

参考:(中国語)

男子三入火海救人烧成"炭人" 留满地血脚印

“钱够手术了,请捐给更需要的人”(点赞中国)


社会

Posted by 如月隼人