今後10年で、中国の「20代前半の労働力」は3割減少する 中国で危機感

 上海市メディアの新聞晨報は30日付で、中国の「若者労働力」は今後10年で、3割減少するとの専門家の指摘を紹介した。

 

 上海市内で29日、「高齢化と労働力」をテーマとするフォーラムが開催された。同フォーラムには国外の専門家も出席した。

 

 米国からの出席者が、「出生率の低下は、短期的に見れば政府にとって助かる面もある」と指摘。教育が必要な世代が減少すれば、政府の負担も少なくなるからという。

 

 同出席者は続けて、出生率の低下について「長期的に見れば、極めて悪い影響がある」と指摘。米国の例を挙げ「2007年に2.12だった出生率は2014年には1.78になった」、「このことは、2089年になれば、米国の社会保険の赤字が、出生率が2.2だった場合の2倍になることを意味する」と論じた。

 

 同出席者は、「中国は今まさに、同様の出生率滑落の状況に直面している。産児制限は、小学校入学性の激減をもたらした。1995年には、中国では2530万人が小学校に入学した。ところが2008年、小学校新入生はその3分の位置になった」と説明。

 

 同数字にもとづけば、今後10年間の間に中国の20-24歳の若年労働人口は、それまでより3割減少することになるという。

 

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◆解説◆
 中国は1990年代から最近まで、豊富な労働人口と安価な賃金コストを利用して、低価格の工業製品を大量に輸出することを、経済成長の大きな支えとしてきた。

 

 中国は胡錦濤政権時から、このような産業構造の一新を強調してきた。かなりの成果はあったが、中国経済が現在も、安価な労働力に支えられている部分が大きいことは否めない。

 

 労働人口の減少は、労働市場の需給バランスの法則から、賃金上昇を招くことになる。若年層労働力が大きく減少すれば、次の時期に労働人口の減少が加速的に進行することになる。

 

 中国は人口そのものが大きいので、それでも相当に大きな労働人口を確保することができるだろう。ただし「1国」という枠にとらわれなければ東南アジア、さらにはアフリカなどの新興国が、極めて大きな労働力の潜在力を有している。

 

 中国が出生率を引き上げるのは、かなり難しい状況だ。とすれば、産業構造の転換を「前倒し」で進めねば、中国経済は急速に発展の展望を失う可能性があるということになる。(編集担当:如月隼人)

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参考:・未来十年年轻劳动力将减三成(中国語)