中国全土が驚愕 急死した副市長が「極貧」だったと判明、家電は旧式洗濯機1台だけ

 中国では3日から4日にかけて、出張先で突然死した陝西省安康市の李建民副市長が大きく注目された。

 

  インターネットで「私たちは李建民の“豪邸”を見た」という写真付きの文章が発表され、次々に転載された。 李副市長の自宅を訪れたところ、極めて粗末な家で部屋に残されていた家電製品は旧式の洗濯機1台だけだったという。

 

 文章は、正規の給与だけで生活しようとする「よい官僚」は貧困になるとして、官僚の待遇制度の改革が必要と主張した。

 

 中国の習近平政権は「腐敗撲滅」を強力に進めている。文章は個人を対象にした取り締まりだけで、待遇面を考えないのでは、官僚のなり手がいなくなってしまうと主張。さらに、亡くなった李副市長のような幹部が「少なすぎる」とも批判した。

 

 李副市長は1963年生まれ。79年に小学校教師になった。共産党入党は86年7月。その後、地元の志丹県の職員になり、15年2月に安康市副市長に就任した。在職研究生(在職大学院生)の制度を利用して、修士号を取得したという。

 

 西安市に出張中に突発的な病気におそわれ、5月28日に死去した。54歳だった。

 

 李副市長は07年から15年まで、陝西省のはずれにある彬県の県長(県知事)を務めた。当時の彬県は「国家貧困県」に指定されるほど貧しい地だった。赴任時の県政府建物は築後30年ほどで、窓は壊れ、壁ははがれ、トイレは水漏れするなど老朽化が著しかった。

 

 職員の多くが建て替えや補修を希望したが、李県長は「貧困県から脱出するために、予算はまず、人づくりである教育に投じる」との信念を変えなかったという。同県では幼稚園から高校までの15年の教育費が、無料になった。

 

 李県長がもうひとつ重視したのは、同県がしば見舞われていた水害対策だった。県城(県の中心都市)の近くを流れる川に堤防がないので、川が増水すると県城はそのまま水に浸されることになった。李県長は堤防建設に多額の予算を投じることを決めた。

 

 当初は「貧困県が巨額の予算を投じる」ことに対する批判もあった。堤防建設中の2010年7月、大雨のために川が増水した。水は県城のそばに迫った。深夜だったが李県長は自ら現場に急行し、胸まで水につかりながら状況の把握に努めた。対策として排水路3本を作ることが決まった。水は排水路を通って流れていき、県城は無事だった。

 

 一方で、建設中の堤防は「びくともしていなかった」ことから、人々は堤防建設を理解し、反対の声は消えたという。彬県は現在、陝西省の中でも「最も豊かな10の県」の1つに数えられるようになった。

 

 李副市長が生前住んでいた家は、2年前に建てられたものだという。しかし粗末なつくりで、すでに「老朽化」していた。

 

 死去してから李副市長の生活が知られるようになったことで、彬県の関係者も李副市長の家を訪れた。貧困対策に懸命に取り組んでいた李副市長に対して「あなた自身が、こんなに貧困だったとは知らなかった」と言って、皆が泣きだしたという。

 

 写真は李副市長が住んでいた部屋、李副市長の部屋を訪れた彬県関係者、李副市長の遺体への献花。(編集担当:如月隼人)

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参考:・・震惊,猝死副市长竟然住在这里 (中国語)