台湾新政権、対日関係を重視  新任「大使」は首相経験者、民進党「知性の星」の謝長廷氏

 中華民国(台湾)総統府は3日、「謝長廷を駐日本大使に任じる」との総統令を発表した。謝氏は陳水扁政権下で首相の経験もある民進党の実力者。「知性の星」などの定評もある。

 日台には国交がないため、互いに大使館を設置していない。しかし実務問題を処理したり各種交流や協議の必要があるので、台湾は出先機関として駐日台北経済文化代表処を設置している(東京都港区)。「代表処」の責任者は「代表」の肩書だ。

 

 5月20日に発足した蔡英文政権は同月23日の総統令で高碩泰氏を「駐米国大使」に任じた。それに続き6月3日には「駐日本大使」として謝氏を任命した。

 

 ただし、総統令が「大使」の肩書で各国に派遣する「代表」を任命することは、馬英九政権時の2-012年から行われていた。蔡英文政権は、そのまま踏襲したことになる。

 

 謝代表が日本に赴任するのは9日。台湾メディアの中国評論新聞網によると、謝代表は3日、メディアの取材に応じ、「子孫のためにも『台日“合好”』のメカニズムを構築すべきだ」と述べた。台湾と日本の関係強化は、単なる「友好」に留まるのでなく、具体的な「合作(=協力)」関係の仕組みを作らねばならないとの意味だ。

 

 謝代表は、台湾と日本の関係ついて、「逆行することはない。先人の築いた基礎を引き継ぐ」と述べた。さらに、蔡英文総統も「台日関係を安定させ、深め、さらに拡大させていくことを希望している」と説明した。

 

 謝長廷氏は1946年、台北市で生まれた。台湾大学で法律を専攻し、在学中に司法試験合格。1972年に日本政府文部省奨学生として京都大学大学院に留学。京都大学で修士号を取得したが、父親の病気のため、博士課程は単位取得後、退学した。

 

 81年に台湾市議選に当選。民進党の創設メンバーの1人になった。98年に高雄市長に当選。環境問題やインフラ整備、史跡保存で実績を上げた。支持率が82.6%に達したとの調査もある。2005年1月には行政院長(首相)に就任。しかし同年12月の地方選で民進党が惨敗した責任を取って辞任した。

 

 台日関係を重視する発言が多い。日本の対台湾政策については、台湾をどのように扱うかを明確に定めるために、米国の「台湾関係法」と同様な法律を作るべきと主張している。ただし、尖閣諸島については「中華民国領」と主張した上で「領有権争いは控える」との立場。(編集担当:如月隼人)

 

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【参考】

謝長廷聊赴日 為子孫打造“台日合好”機制(中国語)