米企業が「高速鉄道建設」で中国との提携を取りやめ 日本の新幹線に「乗換え」の可能性も

 米企業「エクスプレスウェスト(XpressWest)」は現地時間8日、ロサンゼルス・ラスベガス間で計画している高速鉄道建設について、中国企業との合弁を解消すると表明した。

 同事業で中国側の中核企業だった中国鉄道総公司は10日、「性急で無責任だ」などとする声明を発表し、エクスプレスウェストを非難した。エクスプレスウェストの声明文には、日本の新幹線技術の導入を検討している可能性が読み取れる部分がある。

 

 中国側は同事業推進のために、中国鉄路総公司を中心に現地法人の「チャイナ・レールウェイ・インターナショナルUSA(CRI)」を設立した。

 

 エクスプレスウェストは8日の声明で、高速鉄道路線の建設計画は継続するとした上で、「CRIの助けなしに」進めるとした。

 

 エクスプレスウェストは、事業推進にあたってCRIが、エクスプレスウェストが求めるな「タイムリー」な動きをしなかったことを問題にした。同社のトニー・マーネル最高経営責任者(CEO)は、「エクスプレスウェストは今、もっと効果的でもっと費用対効果をよくプロジェクトを実現できる、他の可能性あるパートナーシップを強く求めている」と述べた。

 

 中国メディアの京華時報よると中国鉄路総公司は10日、米側の発表に強く反発する声明を発表した。中国鉄路総公司はエクスプレスウェストを「合意に違反して一方的に合弁プロジェクトの終結を発表したことは誤りであり無責任だ。われわれは反対し、法にもとづいて交渉する」と批判した。

 

 エクスプレスウェストは、中国側との提携取りやめの声明文の最後の部分で、これまで米国における高速鉄道建設で最大の障害だったのは米連邦政府が車両を米国内で建造することを条件としていたことだったと説明。

 

 同社によると、10年もの時間をかけて忍耐強く連邦政府に働きかけてきたと紹介。さらに「高速鉄道を何十年も安全に運行してきた国の経験が、米南西部を(鉄道で)結び、新たな産業を興すために必要」との説得をした。

 

 その結果、議員や米連邦政府も米鉄道局に対して、高速鉄道建設についてこれまで以上に柔軟で現実的な対応を認めるようになったという。

 

 エクスプレスウェストは高速鉄道路線建設についてもう1つの問題として、米連邦政府が外国政府からの財政的支援を認めるかどうかということが残っていると説明した。
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◆解説◆
 エクスプレスウェストの声明文が直接「日本との再契約」の可能性触れているわけではない。しかし「他の可能性あるパートナーシップを強く求めている」、「高速鉄道を何十年も安全に運行してきた国の経験が必要」の部分からは、日本の新幹線技術の導入が念頭にあると考えるのが自然だ。

 

 自前の高速鉄道技術を擁している国としてはフランスやドイツもあるが、独高速鉄道のICEは1998年に死者100人以上を出す脱線事故を、仏TVGも保線の問題や速度超過が原因とみられる死傷事故を発生させている。(編集担当:如月隼人)

 

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【参考】・XPRESSWEST TO CONTINUE DEVELOPMENT OF NEVADA – CALIFORNIA INTERSTATE HIGHSPEED PASSENGER RAIL SYSTEM WITHOUT ASSISTANCE FROM CHINA RAILWAY INTERNATIONAL U.S.A., CO., LTD. (“CRI”)