上海の空港爆破事件、中国で主要メディアは「密やか」に報道

 上海の浦東国際空港で12日に発生した爆発で、中国の主要メディアが大きく報道しない状態が続いている。

 

 搭乗手続きのカウンター前で、荷物が爆発した。4人が負傷し、うち1人は重傷と伝えられている。台湾メディアは12日の比較的早い時点で、荷物中に仕掛けられた爆発物が爆発し、未確認情報としたうえで、「社会に不満を持った人の自爆」との見方を伝えた。

 

 中国メディアの反応は鈍く、歯切れは悪かった。新華社は当初「乗客の荷物の中にあった花火や爆竹によるものとみられている」と、事故だったような書き方で紹介した。

 

 その後、上海市政府が中国版ツイッターの微博(ウェイボー)の公式アカウント「上海発布」で、警察からの連絡によるとして、浦東空港の国際便出発ロビーの搭乗受け付け前で、「男1人がリュックサックからビール瓶を用いて作った爆発物を燃えさせた後、取り出したナイフで自分の首を切って倒れた」と紹介した。

 

 奇妙なことに、中国では同件についての報道が極めて少ない。新華社が運営するニュースサイトの新華網に、続報は見当たらない。上海メディアの澎湃新聞は、同件について比較的詳細な記事を掲載し、容疑者がSNSに「多くの人からの借金がある」と書き込んでいたなどと紹介した。

 

 人民日報系の人民網は、同件について「容疑者はSNSに、狂ったようなことをしてやると書き込んでいた」と紹介した。

 

 同記事は容疑者の実名も掲載し、29歳で、貴州省の出身と紹介。江蘇省で工場労働者になったが、博打に夢中になり多くの借金を抱えていたと伝えた。

 

 しかし、同件については、主要メディアの反応の鈍さが目立つ。それ以外のメディアの紹介も来冷めて少ない。

 

 中国では、ネットニュースの無断転載が、事実上、黙認されている。新華社や人民日報系の「当局が権威あると認めた」媒体のニュースが広まることは、当局にとって有利だからとされる。

 

 上海の国際空港で爆発が発生し、負傷者も出たというニュースは、中国社会で大きな関心を持たれているが大手メディアは積極的に報じず、他のメディアによる記事の転載もわずかという、奇妙な事態が続いている。(編集担当:如月隼人)

 

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Posted by 如月隼人