中国警察がアルゼンチンで銃撃戦 中国人系犯罪組織の摘発行動に参加

 中国メディアの国際在線によると、アルゼンチン警察はこのほど現地時間13日、アルゼンチン最大の華人(中国系住民)の犯罪の摘発行動を実施し、中国の特殊警察も参加したと発表した。

 現地で「貔貅(ピーシゥ、ひきゅう)」と呼ばれる犯罪組織の摘発を実施した。詳しい日時は伝えられていないが、「先週末(18、19日か)」とされている。

 

 中国からは特殊警察部隊が参加した。22の拠点を急襲し、拳銃14丁、現金14万9000ペソ(約144万円)と3700米ドル(39万円)、自動車4台、さらに違法薬物を欧州したという。

摘発の過程で銃撃戦が発生し、警察官2人が負傷した。負傷した警察官が、中国・アルゼンチンどちらの所属であるかは明らかにされていない。

 

 アルゼンチン警察側は記者会見で、「犯罪行為摘発は、アルゼンチンの歴史で最も重要な摘発だった。今回の摘発は成功した。重要なのは(摘発行動を実施した)現地の安全と安寧、とりわけ(一般)華人の安全を確保することだった」と説明した。

 

 「貔貅」は、アルゼンチン現地で商売をする中国人に対して、「保護代」などと称して3万―5万米ドル(約318万-530万円)の支払いを強要していた。商店主が拒否すると、足を狙って銃で撃つなどして、これまで17人が負傷していたという。

 

 アルゼンチンと中国の警察関係者が実施した取り締まりで、「貔貅」のメンバー40人が逮捕された。うち、31人は釈放され9人が現在も身柄を拘束されているという。(編集担当:如月隼人)
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◆解説◆
 「貔貅」は中国の伝説上の動物。「貔」が雄で「貅」が雌との言い方もある。当初は「破邪の獣」とされていたが、勇ましい兵士のたとえとして用いられるようになり、さらに財運の象徴ともみなされるようになった。

 

 中国とアルゼンチンの関係は良好。大きなきっかけが1982年のフォークランド紛争だった。当時の中国は英国との間で「香港返還問題」を抱えていた。香港はアヘン戦争の講和条約の南京条約(1842年)により香港島部分、その後、九龍半島の最南部が英国に永久割譲された。英国は1898年、深セン川以南の九龍半島北部(新界)を99年間の期限で租借した。

 

 1980年ごろになり、香港の新界地区の中国返還が意識されるようになると、中国は英国に対して、香港の全面返還を求めるようになった。

 

 英国にとって条約上、新界地区以外を中国に返還する義務はなかったが、香港地区の大部分を占める新界地区を中国に返還してしまった場合、残りの部分だけでは香港経済が立ち行かなくなることはほぼ明白だった。

 フォークランド紛争が派生すると、英国の当時のサッチャー首相は海外領土について「話し合いには応じる用意がある。しかし、一方的な武力行使は絶対に受け入れられない」と述べた。

 

 中国の鄧小平は、サッチャー首相の言葉を逆手に取り、交渉のテーブルに着くよう要求し、香港を全面返還せねば、武力行使も辞さないと強く迫ったという。

 

 交渉の結果英国は折れ、中国側が言及した「返還後、50年間は香港の社会体制を変更しない」との「1国2制度」の説明を受け入れるとして、1997年に香港を全面返還した。

 

 中国当局はそれ以降、アルゼンチンに対して「特別な好意」を示し続けている。フォークランド諸島についても、中国ではアルゼンチン側の呼称である「マルビナス」を用いることが一般的だ。「フォークランド諸島は本来、アルゼンチンのもの」との意味が込められていると理解できる。

 

 中国では、「本来は自国領であるのに、帝国主義時代の名残で外国に支配されている」として、フォークランド問題と尖閣諸島が一列に論じられる場合がある。(編集担当:如月隼人)

 

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  【参考】・阿根廷警方联手中国特警捣毁当地最大华人黑帮(组图)(中国語)


Posted by 如月隼人