サルを利用した地域活性化が「猿知恵」なりつつある厳しい現実=中国・四川

 四川省攀枝花市の農村部にある太平郷では2003年、周辺地域に住んでいた猿を観光資源とする地域活性化に着手した。しかし、人里地域に住む猿が急増して、地域は現在、「猿害」に悩まされているという。成都商報などが伝えた。

 大都会からは離れ交通の要衝でもない。そんな地域を活性化させるのは大変だ。まして中国では10年以上にわたり、経済の右肩上がりの成長が続いた。「ふるさとを、落ちこぼれ地域にしてはならない」との情熱に燃え、アイデアを出し、実行した人は多い。

 

 しかし、失敗してしまった事例も多い。辛辣な言い方ではあるが「猿知恵」に終わってしまった、あるいは終わりそうな地域も多い。残念ながら太平郷も、そんな例であるように思える。

 

 「この土地は、猿のふるさととして売り出せる」と考えたのは、当時34歳だったHさんだ。観光地として知名度が上がれば、この地は潤うはずだ。近くにより、猿の群れ1つを餌で手なづけるなどで集落に移動させることに成功した。

 

 餌やり1回で、1-1.5キロメートルの移動を誘導し、48日間をかけて集落とその周囲を猿の「縄張り」にすることに成功したという。。

 

 集落周囲に猿の群れがいるだけではだめだ。道路などのインフラを整えねばならない。猿の餌付けも継続する必要がある。Hさんの考えに理解を示す投資家が現れた。会社事業として道路整備や餌付けの事業を請け負った。観光客が増えた。落ちる現金が増えた。村人の懐は潤った。

 

 ところが、投資家が急死してしまった。とたんに、会社の経営が困難になった。集落にやってきた猿の群れは当初、73匹だった。ところがすでに、600匹以上になっていた。餌やりが不十分になったことで、猿は農作物を荒らすようになった。民家の屋根にのぼって暴れ、瓦を壊す猿もいる。

 

 さらに、猿が人を襲うことも発生しはじめた。

 

 住人によると、当初は、猿に餌をやらなくなれば、群れは集落から去っていくと考えていた。その考えは全く甘かったという。当初は1つの群れだった猿は現在、4つの群れに分裂し、集落地域で縄張り争いを繰り返しているという。

 

 やってくる観光客が途絶えたわけではない。しかし、猿に襲われて負傷する人もおり、地域に対して治療費を請求する。地域にとってはこの治療費負担も「頭痛の種」という。

 

 2015年には、猿300匹以上を捕獲して、集落から遠く離れた山林に戻した。しかし、残った300匹あまりの猿も、住人の影響に深刻な悪影響を与えているという。(編集担当:如月隼人)

 

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【参考】・〓〓〓〓〓〓〓(中国語)


Posted by 如月隼人