元人気女性キャスターが議員辞職 「失脚した周永康前常務委員の愛人“車震”動画も当局入手」との噂も

 中国人民政治協商会議全国委員会(政協)の常務委員会が24日に閉幕した。閉幕に際して人事の発表があった。元人気女性キャスターの葉迎春氏(46歳)の委員(議員)辞職願が受理されたという。葉氏には、「失脚した周永康前常務委員の愛人、“車震”動画も当局入手」との根強い噂がある。

 失脚した周永康受刑者は2007年11月から12年11月までの5年間、中国共産党中央政治局常務委員を務めた。同同委員は当時9人、現在は7人で、中国共産党、ひいては中国という国家の意思を決定する、最高指導グループだ。周受刑者は、国務委員や国土資源相や公安相など閣僚も歴任している。

 

 しかし退任後の13年ごろには、在職中の不正が問題になり、捜査の対象になったとの噂が流れ始めた。14年12月には、党籍剥奪が発表され、15年4月には収賄、職権乱用、国家機密漏洩の罪で刑事訴追され、15年6月に無期懲役が確定した。

 

 葉氏については、かなり早い時期から周受刑者の愛人との噂があった。周受刑者への捜査が始まると、葉氏も身柄を拘束されて取り調べられたとの見方が出た。大陸のネットメディア和尋網は14年7月30日、「中央電視台の女性キャスターの葉迎春は周永康の秘密の愛人。車震の画像も明らかに」と題する、写真付記事を掲載した。

 

 同記事によると、周受刑者は当初、自分に対する共産党による尾行などに気づいていなかった。そして、自宅から自動車で出かけ、北京市内の商業施設の地下駐車場に行った。そこで1人だけ車を降り、駐車していた別の自動車に乗り移った。周受刑者を迎えたのは葉氏だった。捜査員は“車震”の全過程を撮影したという。ただし、和尋網が掲載された写真は不鮮明で人物や行為を特定するのは困難との指摘もある。

 

 中国人民政治協商会議は中国の重要な国政機関で、政府に対してさまざまな提言をする役割だ。「共産党以外の勢力からも意見を求める」ということになっており、「各界代表」も委員として迎えられるので、有名なテレビ・キャスターだった葉迎春氏が議員を務めていたことに不自然な点はない。

 

 しかし、政協常務委員会が24日に葉氏の辞職を受け入れたことには、不透明感が漂う。政協常務委員会は葉氏の辞職受け入れに先立ち、議員3人の議員資格剥奪を宣言。空軍少将が1人、金融機関関係者2人だった。同3人については、職位に絡む不正で刑事訴追されることが確実だ。

 

 本人からの辞任が認められえたのは、葉氏と国家発展改革委員会(発改委)の徐憲平副主任(61歳)。ただし、徐副主任については、発改委が15年2月26日に、公式サイトの「指導層名簿」から徐主任の名を削除した。

 

 葉氏については、周受刑者の刑が確定してから1年が経過しており、今後新たな事実が浮上しないかぎり、法的な責任追及がなされるとは考えにくい。周受刑者との関係が“不適切”だったとして、本人の希望という形で政協から事実上追放した可能性が強い。

 

 中国メディアの多くが、24日の政協常務委員会閉幕を伝えた。本文部分はいずれも新華社の報道と同一で、閉幕に際しての俞正声主任の発言を大きく紹介。最後の部分で葉氏の辞任などを紹介した。しかし、見出しで葉氏らの辞任を強調し、葉氏の写真を大きく掲載したメディアもある。写真は同件を伝える環球網の記事。(編集担当:如月隼人)

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【参考】・全国政协十二届常委会第十六次会议闭幕 俞正声主持并讲话(中国語)