中国開発のジェット旅客機「ARJ21」、初の上海乗り入れ 中国メディア「安全に着陸」と強調

 中国が開発したジェット旅客機「ARJ21」が27日午前9時ごろ、上海の虹橋空港に着陸した。中国メディアの新浪網は同話題を紹介する記事に「安全に着陸」との見出しをつけた。

 ARJ21は中国が2007年に生産を開始した地域路線用のジェット旅客機。「小型旅客機」と形容されるが、たとえば客席数を500以上にもできるボーイング747(B-747)や、その後に開発された乗客100人以上を輸送できる旅客機と比べての話であり、ARJ21も80人程度以上の乗客の輸送が可能だ。

 

 世界的な航空運輸ビジネスでは、には航空路線の密度を高める、つまり地方空港への路線への充実を重んじる流れがあり、その中で注目されいるのが、ARJ21クラスの旅客機だ。同クラスの旅客機は「リージョナル・ジェット(地域ジェット)」などと呼ばれており、日本は三菱がMRJの開発を進めている。

 

 成都航空公司が保有するARJ21は27日、四川省成都市の双流国際空港を出発して、午前9時ごろ、上海の虹橋空港に到着した。その後、上海を発つ乗客を乗せ、双流国際空港に引き返した。ARJ21として、初の上海乗り入れだったという。

 

 中国の航空会社の多くが、自国開発のARJ21に積極的な姿勢を見せている。中でも成都航空は2015年11月に、ARJ21の販売用初号機の引き渡しを受けたと発表した。

 

 ただし、ARJ21は欧州航空安全機関(EASA)及びアメリカ連邦航空局(FAA)の型式証明(飛行許可)を取得できていない。そのため現状では、EASAやFAAを基準とする主要国への売り込みはできない状況だ。
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◆解説◆
 中国人の間ではARJ21について、自国の技術的な進歩の象徴として歓迎する意見が多い。一方で、「自国の技術や製造管理で、安全が本当に確保できているのだろうか」という疑問も強いようだ。新浪網の記事は四川省地元の四川在線の記事の転載だが、見出しは変更して「安全に上海に着陸」との文言を使った。

 

 同機の安全性を強調したわけだが、強調せざるをえなかったところに、中国人の本音が垣間見えるようだ。

 

 なお、同記事はARJ21を「中国の空が初めて迎えた自主開発のリージョナル・ジェット」と紹介したが、中国は1970-80年代に、ジェット旅客機Y-10(運-10)を開発した。ただし同機は2機が製造され乗客を乗せての飛行も行ったが、開発を中止した。技術的な問題が解決できず、機体は米国で1950年代に開発されたB-707のデッド・コピーであったため、期待が持てないとして放棄されたとみられている。(編集担当:如月隼人)

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【参考】

国产喷气式支线客机ARJ21首航 安全着陆上海(中国語)


Posted by 如月隼人