女子医大生が事故負傷者に救命措置、報奨金授与は「やれることをやっただけ。辞退します」=四川

中国で、交通事故で負傷した人に救急隊が到着するまで救命措置を施し、公益団体が申し出た報奨金授与の申し出に対して「辞退します」と断った四川省出身の女子医大生に対する称賛が出た。

 程菲さんは、四川省の成都医学院(医科大)の2年生だ。27日午前9時ごろ、自宅にいた。すると。ほんの少し前に外出した母親から電話がかかってきた。

 

 母親は、目の前で交通事故が発生したと伝えた。高齢の女性が自動車にはねられ、頭を打って意識がないという。「医学生でしょ。あなた、なんとかできないの」と言った。

 

 自宅からすぐ近くだ。程さんは駆けつけた。年配の女性が路上に横たわっていた。女性は意識を失っていた。夫らしい、やはり年配の男性が、倒れた女性の上半身を抱きかかえて、女性の名を呼びながら大声で泣いていた。警察官もいたが、どうすることもできない。

 

 程さんは、警察官に申し出た。「私は医学を学ぶ者です。とにかく、負傷者を診させていただけませんか」――。

 

 それ以外に、負傷者を救う手立てはない。警察官は程さんの申し出を受け入れた。

負傷した女性は目を閉ざして、顔からは血色が失せていた。程さんが診ると、呼吸も微弱になり、心音も極めて弱かった。程さんは心臓マッサージを施すなどした。しばらくして救急車が到着して、負傷者を引き取った。

 

 程さんは、現場を立ち去った。警察官は「現場の整理や事故を起こした車の運転手に事情を聞くなどで、(程さん)のお名前を聞くなどしていませんでした。皆が、上は白い衣服でジーパンをはいて、長い髪の女性とは覚えていたんですけどね」と説明した。

 

 現場では、交通事故の負傷者に救命措置をほどこす程さんを撮影した人がいた。インターネットに投稿した。そして「あの人はだれだ?」と、本人探しが始まった。程さんの同級生が、程さんだと気付いた。

 

 四川省メディアの四川在線は、程さんを取材した。「負傷者が助からなかった場合、あなたの措置が間違っていたとされる可能性は考えませんでしたか」との質問に対して程さんは、「あの時は、とにかく助けたいとしか思っていませんでした。あれこれ考えませんでした。私がやらなかったら、この人の命が危ないとだけ思っていました」と説明した。

 

 程さんに対して、通販大手のアリババ(阿里巴巴)が設立した公益団体の阿里公益天天正能量(阿里公益)が、表彰したいと考えた。報奨金として5000元(約7.7万円)を渡したいとの考えだった。

 程さんは、申し出を拒否した。まず、自分はできることをしただけと主張。さらに、自分の母親には慢性病があり、その関係で医学の道を志したと説明。「私のすべては、母親があってのことですから」と述べた。

 

 程さんの家は、決して裕福ではない。父親は現金収入を得るため別の土地に行って、働いている。 程さん自身も、夏冬の休暇にはアルバイトをして家計を助けている。それでも、人命救助に対する報奨金はもらいたくないという。

 

 阿里公益側は、程さんに対して、報奨金を受け取ってもらえるよう、何度も説得した。程さんは最後に「母と相談してから決めます」と回答したという。(編集担当:如月隼人)

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【参考】・四川大二女医学生跪地救人 婉拒5000元奖金(中国語)