台風10号で北朝鮮に大きな被害か 取り残された住民を中国当局「越境救助」

 台風10号(アジア名:ライオンロック)の影響で降った大雨で、中国東北部の吉林省は大きな被害を受けた。国境を接する北朝鮮でも相当な被害が発生した可能性が高い。吉林省延辺朝鮮族自治州当局は北朝鮮側の要請を受け、「越境出動」して北朝鮮住民3人を救助した。

吉林省延辺朝鮮族自治州の図們、和龍、琿春、龍井では8月30日ごろから降り始めた大雨で、各地で川が氾濫し、道路が寸断され、農地や建物が水につかるなどの被害がでた。吉林省では被災者が9万人に達し、直接的な被害は19億元(約295億円)と見積もられている。

中国人民広播電台(中国人民ラジオ局)によると、北朝鮮当局から中国側に、自国民3人が国境を流れる図們江(北朝鮮側の伝統表記は豆満江、日本語読みは「とまんこう」)の中州の島に自国住民3人が取り残されたとみられるが、位置も確認できないなどとして、中国側に救助要請があった。

中国側はボートに分乗させた消防士10人を出動させた。救助要請と救助活動の日付は伝えられていないが、中国人消防士らは無人機(ドローン)を飛ばして3人の位置を確認し、午後4時半に救助に成功した。その後、同じ日の午後6時18分に、3人を北朝鮮当局に引き渡したという。

3人が取り残されていたのは、中国側が「穏城島」と呼ぶ豆満江の中州の島で、北朝鮮領。無人の島だが土地が肥沃であるため、北朝鮮側住人が、稲やトウモロコシを植えるなどで利用していたという。

 

 台風10号では、中朝国境の中国側で大きな被害が出ていることから、北朝鮮側でも相当な被害が出ている可能性が高い。(編集担当:如月隼人)

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