台湾・国立故宮博物院の前院長が、北京故宮研究院の顧問に

中国メディアの中国新聞社は7日、台湾台北市にある国立故宮博物院の馮明珠前院長が同日付で、北京故宮研究院の顧問に就任した。

 

馮院長は中国側の招待を受け大陸を訪問し、6日と7日に「北京故宮に献呈する」として講演を行った。7日の講演終了時に、北京故宮研究院から顧問就任の招聘書を手渡された。

馮前院長によると、顧問就任の打診を受けたのは前日で、「明日までに、1日かけて考えてください」と言われたが、その場で「お受けします」と即答したという。
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◆解説◆
台湾の国立故宮博物院は、蒋介石が大陸から運ばれた文物(文化財)を収蔵している。台湾側はかつて、「大陸に残ったのは北京の故宮の建物だけ。価値ある文物はすべて台湾に運ばれた」などと盛んに主張したが、最近の発表では、大陸に残った文物にも極めて貴重な物が多いことが明らかになっている。

大陸側の問題はむしろ、収蔵品の保存や管理で、紛失なども時に発生している。

台湾の国立故宮博物院は政治面でも極めて重視されており、「院長」は閣僚の一員に位置付けられている。馮前院長は1950年に香港で生まれた。台湾大学で歴史学の修士を取得。故宮博物院に約20年間、勤務した。馬英九政権時の2012年9月18日から16年5月20日まで、同院院長を務めた。

台湾で民進党・蔡英文政権が発足して以来、中台交流は停滞した状態が続いている。大陸側関係者が北京と台北の故宮についても、「停止」と説明したことがある。大陸側が馮前院長に故宮研究院の顧問就任を呼びかけたことには、大陸側の政治的思惑が強く作用したと考えて間違いない。

中台の故宮の政治や近現代史との関係、さらに日本とのかかわりについては、ジャーナリストの野嶋剛氏が著した「故宮物語」(勉誠出版)、ふたつの故宮博物院」(新潮選書)などに詳しい。(編集担当:如月隼人)

 

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Posted by 如月隼人