女優の徐婷さんが死去、25歳 悪性リンパ腫で 伝統療法を頼り入院治療が遅れる

テレビや映画出演で人気が高かった安徽省出身の女優の徐婷さんが7日、北京市内の病院で悪性リンパ腫のため死去した。徐さんは1990年10月3日の生まれ。26歳の誕生日を約1カ月後に控えての死だった。

徐さんは2012年に放送されたテレビドラマ「肚爸爸生子記」に出演などで注目を集めた。同作品における出番は少なかったが、演技力を高く評価され、「老爸回家」、「二叔」、「把愛带回家」、「逆光之恋」、「北漂童話」など多くの作品への出演を重ね、1990年代に生まれた「90後」の「新世代女優」としての評価が定着した。

今年(2016年)7月に、悪性リンパ腫にかかったことをSNSで告白した。徐さんは、西洋医学による治療を拒否し、拔罐、針、瀉血などの中国の伝統的療法に頼った。家族が、西洋医学による治療を勧めても、応じなかったという。

 

病状は一向に好転せず、8月末に入院した。徐さんはそれまで、中国療法の施術士の「体の毒を出す」などの説明を固く信じていたという。徐さんの妹は、入院後に徐さんを担当した医師にも、「拔罐で悪性リンパ腫が直せるというのは、とんでもないでたらめ」などと説明されたと表明。

 

医師は、「中国医学がダメというのではない。西洋医学の治療と協調するように、体力向上のために併用することは考えられる」と述べ、徐さんの場合には「拔罐により皮膚に近い欠陥が傷ついて内出血していることも、病状を悪化させた」との考えを示したという。

徐さんの妹は、徐さんがかかっていた中国療法の施術士は「ペテン師だった」と強く非難した。徐さんは入院してから1週間ほどが経過した9月7日午後に死去したという。

 

徐さんは、8月18日まで、SNSへの書き込みを続けていた。これまでの人生を振り返り、家には多額の借金があり、弟の学費を工面する必要もあったので、出演料はすべて両親に渡していたなどと説明。「自分のために生きていたとは思えない」、「悪性リンパ腫になったことが分かって、かえって気が楽になった。解脱というのかな。私は仏さまを信じていますから、誰も責めたりはしません」、「すべては私自身の運命です」などと、気持ちの変化をつづり続けた。そして「徐小婷に改名します」と宣言した。

 

18日の書き込みは「仏さま、どうか私から、この苦しさを早く取り去ってください。本当に苦しい。本当に苦しいんです!」だった。写真は元気だったころの徐さん、拔罐の施術を受ける徐さん。最後の2枚は入院後に家族が発表した治療中の徐さんと、病院のベッドに横たわる徐さんの腕部分。拔罐の際に紙片を燃やして出た煤がついていると思われる。

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◆解説◆
拔罐は中国の伝統療法のひとつ。広口のガラス瓶の中で紙片などを燃やして内部の温度を上げてから、瓶の口部分を皮膚に押し付ける。瓶内部の温度が下がると圧力も低下し、皮膚を吸い込むことになる。拔罐は局部的な循環を刺激して、疲労回復などに役立つとされる一方で、急性の感染症、悪性腫瘍、体力が極度に低下している人、さらに血友病などの場合には用いてはならないというのが、一般的な認識だ。(編集担当:如月隼人)

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Posted by 如月隼人