北朝鮮で水害のため大被害・疫病蔓延か 「衛生活動が活発」と報道

北朝鮮の国営メディアの朝鮮中央通信は12日、「水害地域で衛生防疫活動が活発」と報じた。9月上旬に大雨で深刻な被害が出たとされる、北朝鮮北東部の咸鏡北道で、伝染病が蔓延しはじめた可能性がある。

朝鮮中央通信はまず、軍と人民が「咸鏡北道北部水害地域の復旧にこぞって立ち上がっている」と説明。同地域でかなり深刻な被害が出たことは間違いない。

記事はさらに、「保健省では現地に幹部を派遣して提起される問題を適時に解決」、「医療サービス活動に必要な各種の医薬品を一日も早く輸送するための綿密な対策を立てている」と報じた。

また、「すでに、予防接種に必要な予防薬と注射器が現地に到着し、より多くの医薬品を送るための活動が広範囲に展開」、「水害地域で衛生防疫活動に関連する対策的問題が討議され、住民の飲料水問題の解決のために消毒薬を迅速に供給するための手配がなされた」、「予防接種隊員たちは、住民を対象に予防接種を責任をもって行っている。」などと紹介した。
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◆解説◆
一般に、独裁体制を敷き、報道を厳しく管制する国では、自国のマイナス面は報じられない。ただし、問題発生が「誰の目」にも明らかな場合には、あるいは外部で報じられた場合にさらに大きなダメージがもたらされると判断した場合に、問題解決に向けた“方策と努力”のみを公式に発表することがある。

かつての中国は、現在の北朝鮮と同様に、情報について閉ざされた国だった。そのため、中国ウオッチャーの間では「人民日報の正しい読み方がある」などと揶揄(やゆ)された。

「発電所建設が急ピッチ」など人民日報が報じれば、「中国では電力不足が極めて深刻」と読み取らねばならないといった、指摘だ。中国の報道は現在、かつてに比べれば――あくまでも相対的にだが――現実を分かりやすく伝えるようになったと言えるだろう。

しかし北朝鮮における報道は、現在もかつての中国と同様だと考えてよい。朝鮮中央通信の上記記事は、咸鏡北道で相当に深刻な水害被害が発生し、伝染病の拡大防止も難しい状況になりつつあると、読み取ることができる。(編集担当:如月隼人)

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