リオ・パラリンピックで中国が台湾に圧力「国章を使うな」、台湾はそっくりの「国民党マーク」を使用

リオデジャネイロ・パラリンピックに出場した台湾(中華台北)代表団が、ユニフォーム上の「国章」の使用が認められないと、中国から圧力をかけられたことが分かった。出場への影響を懸念して、代表団は「国章」の上に「国民党のシンボル・マーク」を貼りつけて対応した。台湾メディアの明報が伝えた。

蔡英文総統は20日、帰国したパラリンピック代表団と会見した。会見の場で、陳李綢団長が中国から圧力があったことを明らかにした。

団長は、出場2週間前に国際パラリンピック委員会(IPC)から書簡が届き、中国から抗議があったとして、ユニフォーム上の「国章」はIPCの規則に違反しているとして、「改善」を求められたと述べた。

団長によると、ユニフォームの「国章」については、事前にIPCの同意を得ており、IPCからは「改善要求」の理由についての説明もなかった。

代表団は競技開始前日になり「このまま対立を続けると、選手の出場資格に影響が出る可能性がある」として、「国章」の上に「国民党章」を貼りつけて対応した。「中華民国国章」と「国民党シンボル・マーク」は極めてよく似ており、陳団長も「完全に同じではないと、初めて知った」という。

団長によると、これまでの協議会出場でユニフォーム上の「国章」で抗議を受けたことはない。今回の抗議には「中国がさまざまな圧力をかけてきている」という政治性を感じた。ただし、陳団長はこの問題を、これ以上政治化してほしくないと願っているという。

 

総統府の黄重諺報道官は、蔡英文総統は政府に向け、事実関係を確認するよう要請した。事実であれば台湾政府としてIPCと中国に対して抗議するという。
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◆解説◆
大会が迫ってからの中国の「圧力」には後味の悪さが残る。台湾側としては「国章の使用の断念」は無念だったろうが、「国民党マーク」の使用は、中国にとって「想定外」であり、台湾側の措置に「一本取られた」と感じたのではなかろうか。

「中華民国国章」と「国民党マーク」は、陳団長にとっても、今回の事態で知らされるまで、別のデザインと認識していなかったほど類似している。そして中国は、将来的な統一を否定しない国民党に肩入れをする立場だ。したがって、「国民党章もダメ」とは言いづらい。国民党の「面子(メンツ)」をつぶすことになるからだ。(編集担当:如月隼人)

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