空気読んでよ!…ローマ字を無神経に使うのはダサい

本日は、お休み。“お日柄もよい”ということで、ぶらりと散歩に出かけた。すると、近所のマンションで外装の補修工事をしていた。建物の周囲に足場が組んでおり、その外に青色のネット。


ネットの下の方に、ビニールでできた横断幕があり「KY!」と大きく書かれていた。ん? 何のことだろう。まさか「空気読めない」ではあるまいな。そのそばに、作業における安全確保を訴える文句があったので、まあ、その手の標語とは検討がつきました。ということは、「K」は「危険」かなあ。では「Y」は何だろう。「危険読め」?…まさか。


ということで、調べてみたら、なんと「危険予知」の略語というではありませんか。「確認よし」の意味も兼ねるとのことです。


まあ、いいんだけどねえ。とにかく、標語かなんかを使って安全を確保しようという考え方は正しい(工事現場での「爆発」は勘弁してほしい)。でもなあ、KYじゃ、分からんぜ。工事関係者向けにはともかく、一般の通行人が目にする道路に面した横断幕に大書きしていたんじゃ、はっきり言ってひと騒がせ。空気を読んでほしい。ま、かってに騒ぐ奴が悪いと言われれば、それまでですが。


どうも、外来語を安直に使う風潮には、抵抗を感じます。カタカナだらけの商品説明なんかを読むと(1)読む人間にきちんと伝えるための能力が不足している、(2)雰囲気でごまかそうとしている。すなわち、売り手も「実は問題あり」と考えている商品である可能性が大、(3)1と2の両方――などと勘繰ってしまう。


これが、ローマ字の略語表記となると、もっとひどい。もともと意味を伴わない「表音文字」を見て「意味を分かれ」というのは無理がある。英語など、すべて表音文字で表記する言語体系なら、単語が長ったらしくなってしまうから、頭文字による略語表記は「やむをえない」面もある。日本語の中で使っても、あまり利点はない。


いや、カタカナ書きの外来語やローマ字の略語表記がすべて悪いと言うつもりはありません。ただ、本当に効果的かどうか、考え直してみる努力は必要だと思います。さらに言えば、略語にした場合、本当に威力を発揮するのは漢字だと思います。鉄道なんかでは、ずいぶん前から「指差喚呼」という標語を使っている。「確認する対象を指で指して、確認した内容を声に出す」という意味ですね。文字を見れば、何が求められているのか一目瞭然です。


ということで、日本語、ひいては過去から営々と築かれてきた日本の文化を自らの誇りとしたいなら、カタカナ書きの外来語やローマ字の略語表記を使うのは、「ほかに知恵がなかった」場合にかぎり、さらに言えば「お恥ずかしい。本当は、相当にダサいんですよね」程度の意識を持った方がよいと思うのですが、どうでしょう。