300年前の古民家を撤去の方針、市民から惜しむ声・批判の声 当局「レンガは保存しますから」=遼寧

遼寧省・凌源市では22日、当局が同市に残る古民家に残る300年前に建てられた古民家「姜家園子」を撤去する方針との報道を受け、インターネットに惜しむ声や当局を批判する書き込みが続々と寄せられた。当局関係者は「古民家はできるだけ残します。残せない場合に、瓦1枚とレンガ1個は保存します」と表明した。

「姜家園子」の撤去方針が明らかになったことで、多くの市民がインターネットで意見を表明した。「わが国の古代建築の研究者も、古い建築は音楽と詩が凝固したような存在と言っている。後の世代のためにも残すべきだ」、「私の家の近くでも、同様の古い家が残っていたが、撤去中だ。惜しい」などの書き込みが目立つ。

「姜家園子」最大の問題は、当局が保存や整備を考えてこなかったことであるようだ。「姜家園子」はその名でわかるように「姜一族」の住居だった。大家族が集まって生活しており、敷地内にはいくつもの建物がある。中国では各都市で見られる現象だが、中華人民共和国が成立してからは人の流動が激しくなり、古い住居から退出する家族も多く、逆に一族とは別の人が入居することが一般的になった。

そのため、一族の長の考えで、住居全体を統一的に管理する気風が廃れたことだ。建物の老朽化が激しくなったことで、住み着いた人はそれぞれが自分の考えで、建物の改修を進めた。当局がノータッチだったことがあり、古い住居の特徴は徐々に消えていってしまった。

子どものころに「姜家園子」に住んでいた人によると、最初から住んでいた人は次々に出ていき、別の人が住むようになったという。幼いころの記憶では、青っぽいレンガで中庭を舗装していたり、木枠のンドがあったり、古いオンドルがあったりと、清朝時代の住居の特徴が濃厚だった。

中にはは近所の子も遊びに来て、公園のように使っていた。住んでいたのは高齢者が多く、子どもらが壁に落書きをすると「祖先から残ったものだ。大切にして、後の世代の人のためにも、しっかりと残さねばならない」などと叱られた。

それでも、住人らは自分の都合に合わせて改修を進めていったので、子どものころの面影は失われてしまったという。

市当局は撤去後の跡地の使い道として、隣接する小学校の生徒のための送迎スペースにすると説明した。隣接する小学校は、中国で「実験小学校」に分類されるエリート小学校だ。遠方から通学する生徒も多く、親が自家用車で送迎するため、校門前の道路交通に支障が出ているからという。

市の文化財保護部門の責任者は、2009年から調査と研究を進めてきたが、建物などに加えられた変更が大きく、保存に値しないとの結論を出したと説明。ただし、古民家をできるだけ保護するとの方針は変わらず、撤去する場合にも最低限、「瓦1枚とレンガ1個は保存します」と表明した。

 

がまったくされていなかったことであるようだ。壁の上部が崩れるなどで、傷みが激しい。同市には古い文化財を展示する施設がないため、将来建設されれば、撤去された建物のレンガや瓦を市民の見学の供する考えという。(編集担当:如月隼人)

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